どんな人生にも意味がある 態度の価値
自分の人生にどんな意味があるのか、これは誰もが一度は考えることだと思います。
私は特に得意なことがあるわけでもなく、人間関係も苦手で自分に誇れるものもありませんでした。
そんな時、ナチスの強制収容所を生き延びた精神科医のフランクルの語る人生の価値について知る機会がありました。
強制収容所での記録を描いた夜と霧という本に書かれています。
人生には3つの価値があるといいます。
体験の価値、創造の価値、態度の価値です。
体験の価値は、体験することで実現される価値です。
創造の価値は、何かを創造することで実現される価値です。
態度の価値はどんな態度で生きるかで実現される価値です。
収容所は、明日の命もわからず体験の価値も創造の価値も奪われている過酷な状況でした。
そんな中でも、自分の運命に対して、どういう態度で生きるかを選び、周りに大きな感動を影響を残していった人もいたそうです。
収容所で一人の男が処刑を言い渡されたとき「どうしても自分は死にたくない、子供も妻もいるんだ」と言って騒いだそうです。
その時に、「私には家族はいません。私が代わりに処刑になりましょう」と自ら身代わりを志願した人がいたそうです。
これが態度の価値です。
小林麻央さんも、過酷な運命に直面しながらも、闘病中の自分の姿や心情を隠すことなく
伝えてくれて、大きな感動を呼びました。
亡くなる直前まで前向きな心を忘れずに懸命に運命と向き合っている姿は心打たれるものがありました。
亡くなっていくときの態度であってもまわりに大きな感動を残していくことができると証明してくれた人だったと思います。
今苦しみの中にある人も、いつか苦しみから抜け出していくことができて、今度は同じような立場にある人を一人でも助けてあげることができたら、苦しみにも意味があったことになります。
これも態度の価値です。
私は3つの価値の中で態度の価値が最も大切なのではないかなと思っています。
収容所での作業で、右の土を左に移す、左に移した土を右に移す。
意味のない作業を続けさせられた労働者のダメージは非常に大きかったそうです。
バタバタ倒れていったそうです。
しかし、橋を作るとか意味のあることに対しての労働には相当なところまで耐えられたそうです。
私たち人間にとって、意味があるということがどれだけ大きいことか改めて思い知らされる話です。
苦しみにも何かの意味があると思えたら人間は相当なところまで耐えられるということです。
高校の同級生が卒業式の時に見せてくれた温かい微笑みに、私は救われた体験があります。
彼女は20歳の時に亡くなってしまったのですが、彼女の温かい眼差しが暗闇の中にいた私を救い出してくれて、抜け出していくことができました。
温かい気持ちや、温かい微笑みは一人の人の人生を180度変えていく力があるのだなと知ったとき、私にも同じことができるし、同じことをしたいと思いました。
私たち一人ひとりには思っている以上に力があります。
私たちがどういう態度で生きるか。
笑顔を見せること、落ちたものを拾ってあげること、失敗を許してあげること、そんな些細なことであっても、どんな態度で日々を生きるかにも大きな価値があり、周りに影響を与えていくことができます。
フランクル博士の態度の価値の話を知ってから、得意なことがなくても、人間関係が苦手な私の人生にも価値があると思えてうれしくなりました。
ブラジルでの蝶の羽ばたきが、テキサスでの竜巻につながると言われています。
バタフライ効果というそうです。
小さな動きがきっかけとなって、大きな結果につながっていくということです。
私たち一人ひとりが温かい心をもって生きたなら、それが広がっていっていつかは平和な世界になっていくのではないかなと信じています。
の文章の言葉が感動的だったので最後に紹介します。
どんな時にも、人生には意味がある
あなたを待っている誰かがいて、あなたを待っている何かがある
そしてその何かや誰かのためにあなたにもできることがある。